算数の文章問題、本当に理解できていますか?(2)
前回は、「分数をかける計算」における文章問題の盲点について触れました。
次に学習する「分数でわる計算」の単元でも、まず分数同士のわり算の方法を学び、その後、わり算を利用した文章問題に取り組みます。
ここでも子どもたちは、あまり問題をしっかり読まずに数字だけを見て、わり算をしようとします。
ただし、かけ算と違い、わり算では「どちらの数をどちらの数で割ればよいか」と迷うことがあります。問題に出てくる数が分数ではなく整数であれば、「大きい数を小さい数で割る」という方法でたまたま正解してしまうケースも少なくありません(常に正解するとは限りませんが)。
しかし、分数になると、数の大小関係を考えずに、問題文に先に書いてある数を後から出てくる数で割るという、根拠のない解き方をしてしまう子もいます。それでも正解する確率は50%ですから、運良く正解する場合もあるでしょう。
このように、算数のテストの文章問題では、もしかしたら偶然正解しているだけの可能性も考えられるのです。
では、「分数をかける計算」や「分数でわる計算」の文章問題を本当に理解しているかを確認するにはどうすればよいか。それは、かけ算で解く問題とわり算で解く問題を混ぜて、解かせることです。小学校のテストでは、単元ごとの学習が中心で、このような総合的な力を試す機会はあまり多くありません。
しかし、中学校に入学し、高校入試に向けて学習する際には、「この問題はどうやって解くか」ということを論理的に考える必要があります。そのため、小学生のうちから「考える」という習慣を身につけておかないと、中学生になってからつまずいてしまうのです。
<続く>