前回は、小学校と中学校の英語の違いや、中学校で勉強がぐっと難しくなることが、英語につまずいてしまう原因の一つだとお伝えしました。
今回は、もっと具体的な理由と、小学校の英語の勉強が中学校の勉強にどうつながっていくのかを詳しく見ていきましょう。

中学校の英語の勉強でお子さんが苦労する原因には、勉強の仕方が変わることも大きく関係しています。小学校では、ゲームや歌など、体験を通して楽しく英語に触れることが多いと思います。

でも、中学校では、先生の話を聞いてノートを取り、教科書を読んで問題を解く、というように、机に向かって勉強する時間が中心になります。「英語は今まで楽しかったのに」と、この勉強の仕方の変化に戸惑ってしまうお子さんも少なくありません。

小学校では、お子さんのやる気やコミュニケーションの基礎を育てることが大切にされ、授業への参加の様子などが評価の中心になります。しかし、中学校では、定期テストという紙のテストの結果が成績のほとんどを占めるようになります。
テストで点数を取るためには、単語を覚えなくてはいけません。

ここで気になるのが、単語の覚え方です。
例えば、「同じ」という日本語を英語にすると、「same」となります。
英語が苦手なお子さんに多いのが、ローマ字みたいに「サメ」と覚えることです。
でも、「同じ」と「サメ」はなかなか結びつかないので「same」と書けないんです。
つまり、小学生の時に音と文字をしっかり一致させることをあまり意識していないんですね。

ですから、小学校でアルファベットを読んだり書いたりする練習や、基本的な単語に触れる機会が少なかった場合、中学校で本格的に読み書きや文法の勉強が始まると、そのギャップに戸惑って、英語が嫌になってしまう可能性もあります。

「小学校で少しやったから、中学校でも大丈夫だろう」と思っていると危ないかもしれません。
小学校の英語の勉強は、中学校の勉強をスムーズに進めるための、とっても大切な準備期間だということを、改めて知っておいていただけたらと思います。

＜続く＞