個人面接と集団面接の違いとは?それぞれの対策と練習方法を解説
高校入試の面接には、受験生が1人ずつ面接を受ける「個人面接」と、複数の受験生が同じ場で面接を受ける「集団面接」があります。
どちらも、自分の考えや経験を面接官に伝える場ですが、面接の進め方や意識したいポイントには違いがあります。そのため、面接形式に合わせた準備をしておくことが大切です。
「個人面接と集団面接では、どのような違いがあるの?」「集団面接では、ほかの受験生と回答が重なっても大丈夫?」「面接では、どのような練習をすればよいの?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、個人面接と集団面接の違い、それぞれのメリットや注意点、具体的な対策方法を解説します。高校入試に向けて面接の準備を進めたい中学生や保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
個人面接と集団面接の大きな違いは、面接を受ける人数と、ほかの受験生がいる状況で受け答えをするかどうかです。
個人面接とは?
個人面接は、受験生1人に対して面接官が質問をする形式です。
受験生は面接官と向き合い、自分の経験や考えを伝えます。
個人面接では、回答した内容について、さらに詳しく質問される場合があります。
例えば、「中学校生活で力を入れたことは何ですか」という質問に対して、部活動と答えた場合、どのような目標を持って取り組んだのか、苦労したことは何か、そこから何を学んだのかなどを聞かれることがあります。
そのため、質問に対する答えを準備するだけでなく、自分の経験や考えを掘り下げて整理しておくことが大切です。
集団面接とは?
集団面接は、複数の受験生が同じ場で面接を受ける形式です。
受験生が順番に回答する方法などがあり、進行方法は高校によって異なります。
集団面接では、自分の回答だけでなく、ほかの受験生が話しているときの姿勢にも気を配る必要があります。
また、ほかの受験生と同じ質問に答える場合、回答内容が重なることもあります。
そのようなときでも、無理に違うことを話そうとする必要はありません。
自分の経験や考えに基づいて、落ち着いて回答することが大切です。
個人面接と集団面接の比較
比較項目 | 個人面接 | 集団面接 |
|---|---|---|
| 受験生の人数 | 1人 | 複数人 |
| 回答する際の特徴 | 自分の考えを詳しく伝えやすい | ほかの受験生がいる状況で回答する |
| 意識したいこと | 質問の意図を理解し、 具体的に説明する | 要点をまとめ、周囲の話も聞く |
| 練習方法 | 深掘り質問を想定した模擬面接 | 複数人での模擬面接 |
| 注意点 | 回答が短すぎたり、 話が長くなりすぎたりしないようにする | 周囲と比較しすぎず、 自分の考えを伝える |
なお、個人面接と集団面接のどちらが難しいかは、一概にはいえません。
質問内容や面接時間、進行方法などによっても異なるため、志望校の募集要項や選抜実施内容を確認して準備しましょう。
※10月15日追記
令和9年度入試より、埼玉県の公立高校入試において全ての公立高校で面接が実施されます。
評価基準や実施方法についてまとめたコラムはこちらからご覧ください。
個人面接では、受験生自身の経験や考えを中心に受け答えをします。自分のペースで話しやすい一方で、回答内容を詳しく説明する準備も必要です。
個人面接のメリット
個人面接では、ほかの受験生の回答を気にせず、自分の経験や考えを伝えられます。
例えば、部活動での経験について話す場合、どのような目標を持っていたのか、どのような工夫をしたのか、経験を通して何を学んだのかなどを具体的に説明できます。
また、面接官から追加の質問を受けた場合にも、自分の経験を振り返りながら回答することができます。
自分の考えを整理して伝えたい人にとっては、経験や思いを詳しく説明しやすい形式といえるでしょう。
個人面接で注意したいこと
個人面接では、質問に対する答えが短すぎると、自分の考えが十分に伝わらないことがあります。
例えば、「中学校生活で頑張ったことは何ですか」と聞かれて「部活動です」とだけ答えると、どのように頑張ったのか、何を学んだのかが伝わりません。
一方で、詳しく話そうとするあまり、質問から離れた内容まで長く説明してしまうのも避けたいところです。
まず質問に対する結論を伝え、その後に理由や具体的な経験を説明することを意識しましょう。
また、回答を丸暗記していると、想定していなかった質問に対応しにくくなる場合があります。自分の経験や考えを整理し、自分の言葉で説明できるように準備することが大切です。
個人面接では、自分の経験を振り返り、質問に応じて具体的に説明できるように準備しましょう。
対策① よく聞かれる質問への回答を整理する
まずは、高校入試の面接で聞かれる可能性がある質問について、自分の考えを整理しましょう。
例えば、次のような質問が考えられます。
- 志望校を選んだ理由は何ですか。
- 中学校生活で力を入れたことは何ですか。
- 自分の長所や強みは何ですか。
- 中学校生活で苦労したことは何ですか。
- 高校入学後に取り組みたいことは何ですか。
これらの質問に対して、答えだけでなく、その理由や具体的な経験も整理しておきましょう。
例えば、志望校を選んだ理由については、学校のどのような点に魅力を感じたのか、自分の目標とどのようにつながっているのかを考えておくと、具体的に説明しやすくなります。
ただし、すべての質問に対する回答を暗記する必要はありません。伝えたい内容を整理し、質問の聞かれ方が変わっても、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
対策② 回答に対する追加質問を想定する
個人面接では、最初の回答に対して、さらに詳しく質問されることがあります。
例えば、「部活動を頑張りました」と答えた場合、次のような質問が考えられます。
- なぜ、その活動に力を入れようと思ったのですか。
- 活動の中で苦労したことは何ですか。
- 苦労したことをどのように乗り越えましたか。
- その経験から何を学びましたか。
- その経験を高校生活でどのように生かしたいですか。
このような追加質問に備えるには、自分の経験を「きっかけ」「取り組み」「結果」「学んだこと」の観点から振り返る方法が有効です。
事前に考えを整理しておけば、予想していなかった質問を受けたときにも、落ち着いて答えやすくなります。
対策③ 模擬面接で受け答えを練習する
回答を整理できたら、実際に声に出して練習しましょう。
頭の中では答えがまとまっていても、声に出すとうまく説明できなかったり、話が長くなりすぎたりすることがあります。
家族や先生に面接官役をお願いし、質問に答える練習をしてみましょう。慣れてきたら、事前に用意していない追加質問にも答えられるように練習します。
練習後は、次の点を振り返りましょう。
- 質問に対して、最初に結論を伝えられたか。
- 自分の経験を具体的に説明できたか。
- 質問の意図に合った回答になっていたか。
- 声の大きさや話す速さは適切だったか。
自分では気づきにくい改善点もあるため、練習相手から感想を聞くことも大切です。
集団面接では、ほかの受験生がいる状況で、自分の考えを伝える必要があります。周囲の回答に気を取られすぎず、落ち着いて受け答えをすることが大切です。
集団面接のメリット
集団面接では、ほかの受験生の回答を聞くことで、自分とは異なる考え方や経験に触れることがあります。
また、複数の受験生が同じ場で面接を受けるため、周囲に人がいる状況でも、自分の考えを伝える練習になります。
ほかの受験生の回答を聞いて、自分が経験したことや考えたことを改めて振り返るきっかけになる場合もあるでしょう。
ただし、ほかの受験生の回答が自分より優れているように感じても、必要以上に焦る必要はありません。大切なのは、ほかの受験生と同じ内容を話すことではなく、自分の経験や考えを自分の言葉で伝えることです。
集団面接で注意したいこと
集団面接で注意したいのは、ほかの受験生と自分を比較しすぎることです。
例えば、自分と同じような経験について、ほかの受験生が詳しく話していると、自分の回答に自信がなくなることもあるでしょう。
しかし、同じ部活動を経験していても、取り組み方や感じたこと、学んだことは人それぞれです。無理に珍しい経験を話そうとする必要はありません。
また、自分の回答を考えることに集中しすぎて、ほかの受験生が話しているときにうつむいたり、落ち着きのない態度になったりしないように注意しましょう。
面接では、自分が話しているときだけでなく、ほかの人が話しているときも、落ち着いて話を聞く姿勢を意識することが大切です。
集団面接では、自分の考えを簡潔に伝える練習に加えて、ほかの受験生がいる状況を想定した練習もしておきましょう。
対策① 要点をまとめて話す練習をする
集団面接では、ほかの受験生も回答するため、自分の考えをわかりやすくまとめて伝えることが大切です。
回答するときは、次の順序を意識してみましょう。
- 結論: 何について伝えたいのか。
- 理由や経験: なぜそう考えたのか、どのように取り組んだのか。
- 学んだこと: その経験から何を得たのか。
例えば、「中学校生活で頑張ったことは何ですか」と聞かれた場合、次のように答える方法があります。
「私は部活動に力を入れました。練習では、苦手なプレーを克服するために、毎日自主練習を続けました。この経験から、目標に向けて努力を続けることの大切さを学びました。」
このように、結論と具体的な経験、学んだことを整理しておくと、伝えたい内容がまとまりやすくなります。
ただし、すべての回答を同じ型に当てはめる必要はありません。質問の内容に応じて、必要な情報を選んで伝えましょう。
対策② ほかの受験生の回答を聞く練習をする
集団面接では、自分が回答する番を待つ間も、ほかの受験生の話を聞くことが大切です。
ほかの受験生の回答に気を取られ、自分が話す内容を忘れてしまうこともあるかもしれません。
そのため、家族や友人と模擬面接をおこない、自分が回答するだけでなく、ほかの人の回答を聞く練習もしておきましょう。
また、ほかの受験生と回答内容が重なっても、慌てる必要はありません。
例えば、ほかの受験生が部活動について話していた場合でも、自分が部活動で経験したことや、そこから学んだことを具体的に伝えれば問題ありません。無理に別の話題に変えようとせず、自分の経験に基づいて回答しましょう。
対策③ 複数人で模擬面接をおこなう
可能であれば、複数人で模擬面接をおこないましょう。
1人で練習するだけでは、ほかの受験生がいる状況や、自分以外の人が回答している間の過ごし方までは確認しにくいためです。
練習では、次の点を意識しましょう。
- 自分の回答を簡潔にまとめる。
- ほかの受験生が話しているときは、話を聞く姿勢を保つ。
- 周囲の回答と比較しすぎない。
- 自分の順番が来たら、落ち着いて受け答えをする。
複数人での練習が難しい場合は、家族に面接官役をお願いし、質問への回答だけでなく、周囲に人がいる状況を想定して練習する方法もあります。
個人面接と集団面接では進め方が異なりますが、どちらにも共通する準備があります。
自分の経験を振り返る
面接に向けて、これまでの中学校生活を振り返りましょう。
部活動や委員会活動、学校行事、日々の学習、学校外での活動など、特別な実績がなくても構いません。
大切なのは、どのような経験をしたかだけでなく、その経験を通して何を考え、何を学んだのかを整理することです。
例えば、部活動で目標を達成できなかった経験でも、課題に気づいて取り組み方を変えたことや、仲間と協力する大切さを学んだことなど、自分なりの気づきを伝えられます。
志望校について調べる
高校入学後に取り組みたいことを考えるためにも、志望校の教育方針や学校生活、学習内容などを調べておきましょう。
高校について理解を深めることで、自分がどのような高校生活を送りたいのか、具体的に考えやすくなります。
また、志望理由を聞かれた際にも、学校のどのような点に魅力を感じたのか、自分の目標とどのようにつながっているのかを説明しやすくなります。
回答を暗記するのではなく、自分の言葉で伝える
面接の練習では、回答を暗記することだけを目標にしないようにしましょう。
質問の聞かれ方が変わると、暗記した文章をそのまま話せなくなることがあります。
伝えたい内容や経験を整理したうえで、自分の言葉で説明できるように練習することが大切です。
また、面接では、流ちょうに話すことだけが重要なのではありません。緊張して言葉に詰まった場合でも、落ち着いて考え、自分なりに伝えようとする姿勢を大切にしましょう。
個人面接と集団面接には、受験生の人数や、ほかの受験生がいる状況で受け答えをするかどうかなどの違いがあります。
個人面接では、自分の経験や考えを掘り下げて説明できるように準備し、集団面接では、自分の考えを簡潔に伝える練習に加えて、ほかの受験生の話を聞く練習もしておきましょう。
どちらの形式でも、面接に向けて大切なのは、自分の経験や考えを整理し、自分の言葉で伝えられるようにすることです。
まずは志望校の募集要項や選抜実施内容を確認し、どのような形式で面接がおこなわれるのかを把握しましょう。そのうえで、質問への回答を整理し、模擬面接を通して少しずつ練習を重ねていくことが大切です。
面接の基本を押さえたら、次は実際の面接で聞かれることや、志望理由・自己PRのまとめ方についても確認してみましょう。準備を一つずつ進めることで、本番でも落ち着いて自分の考えを伝えやすくなります。
