令和9年度から埼玉県公立高校入試の面接が全員必須に!「My Voice」と自己評価資料の変更点・対策を解説
令和9年度(2027年度)の埼玉県公立高校入試から、すべての受検生を対象に面接が実施されます。
これまで面接を実施していなかった高校を志望する場合も、面接に向けた準備が必要です。
今回の変更で注目されるのが、面接の冒頭で自分の経験や考えを伝える「My Voice(マイボイス)」と、出願時に提出する「自己評価資料」です。
しかし、「今までの面接と何が違うの?」「自分の言葉で話すといっても、模範解答を準備するのでは?」「自己評価資料は得点化されないなら、適当に書いてもいいの?」と疑問に感じる方もいるでしょう。
この記事では、令和9年度からの面接の仕組みや自己評価資料の役割、受検生が今から取り組みたい準備について、わかりやすく解説します。
令和9年度入試から、埼玉県公立高校入試では、すべての受検生に面接が実施されます。
これまでは高校や学科などによって面接の実施状況が異なっていましたが、今後は全員が面接を受けることになります。
また、出願時には「自己評価資料」を提出し、面接では「My Voice」と、その内容に応じた質問・応答がおこなわれます。
面接当日の流れ
面接当日は、次のような流れで進みます。
- My Voice:1分30秒~2分程度
- 質問・応答:3分30秒~6分程度
まず受検生がMy Voiceで自分の経験や考えを伝え、その内容をもとに面接委員が質問します。
なお、個人面接と集団面接のどちらを実施するか、面接の配点(30点or60点※)は高校によって異なります。
志望校の面接形式や選抜方法については、各高校が公表する「各高等学校の選抜実施内容」を確認しましょう。
令和9年度入試では、学力検査が2027年2月25日、面接が2月26日に予定されています。
※一部例外があります。詳細は、各高校の選抜実施内容をご確認ください。
My Voiceとは、面接の冒頭に設けられた、受検生が自分自身について表現する時間です。
埼玉県教育委員会は、中学校生活や学校外での活動を振り返り、力を注いだことや将来取り組んでみたいことなどを、自分の言葉で表現するよう説明しています。
例えば、次のような内容が考えられます。
- 部活動で努力したことや、そこから学んだこと
- 委員会活動や学校行事で取り組んだこと
- 勉強で苦手なことを克服するために工夫した経験
- 学校外で継続して取り組んできたこと
- 中学校生活を通して考えたこと
- 高校入学後や将来に挑戦してみたいこと
ここで大切なのは、必ずしも目立った実績や特別な経験を話す必要はないということです。
大会で優勝した、委員長を務めた、資格を取得したといった実績がなくても問題ありません。日常生活の中で努力したことや、自分なりに工夫したこと、うまくいかなかった経験から学んだことも、自分を伝える材料になります。
また、My Voiceで話す内容に正解はありません。志望動機を必ず話さなければならないわけでもありません。
自分がどのような経験をし、何を考え、そこから何を学んだのかを振り返り、自分の言葉で伝えることが大切です。
「これまでも面接では、自分の言葉で話すことが大切だと言われていたのでは?」
と感じる方もいるでしょう。
実際、従来の面接でも、受検生の考えや意欲、経験などを確認することはありました。
そのため、今回から突然、まったく異なる考え方で面接がおこなわれると捉えるのは正確ではありません。
では、何が変わるのでしょうか。
すべての受検生が面接を受ける
最も明確な変更点は、面接がすべての受検生を対象に実施されることです。
これまでは高校や学科などによって面接の有無が異なりましたが、令和9年度からは、すべての受検生が自分の経験や考えを伝える機会を持つことになります。
実績だけでなく、そこに至るまでの過程も評価される
もう一つ注目したいのが、経験や実績をどのように評価するかという点です。
例えば、部活動で県大会に出場した生徒がいたとします。
その実績だけを見るのではなく、目標に向かってどのように努力したのか、困難に直面したときにどう工夫したのか、その経験から何を学んだのかといった点も、面接で多面的に評価されます。
埼玉県教育委員会は、委員会活動や生徒会活動、地域のクラブチームでの活動、検定試験などについても、実績そのものをそのまま評価するのではなく、そこに至るまでの過程や意欲、身に付いた力、学びに向かう力などを面接で評価すると説明しています。
つまり、実績の大きさだけでなく、その経験を通してどのように考え、行動してきたかを伝えることが重要になります。
ただし、従来の面接でも経験や意欲を評価していた高校はあります。
今回の変更を「今までの面接は結果重視だったが、これからは過程重視になる」と単純に捉えるのではなく、全員が面接を受け、経験や考えを自分の言葉で表現する仕組みが明確に設けられた点に注目しましょう。
面接対策といえば、よく聞かれる質問を想定し、回答を準備しておく方法を思い浮かべる方も多いでしょう。
My Voiceでも、話す内容を事前に考えたり、伝える順番を整理したりすることは有効です。
例えば、次のような順番で経験を振り返ると、話す内容を整理しやすくなります。
1.何に取り組んだのか
2.なぜ取り組もうと思ったのか
3.どのような壁にぶつかり、どう工夫したのか
4.その経験から何を学んだのか
5.今後、その学びをどう生かしたいのか
このような型を使って準備すること自体に問題はありません。
ただし、用意した文章をそのまま暗記し、質問されたら決まった答えを再現することだけを目指すのはおすすめできません。
My Voiceの後には、話した内容に応じて面接委員から質問があります。自分の経験を十分に振り返らず、模範解答のような文章だけを用意していると、詳しく聞かれた際に答えに詰まってしまう可能性があります。
例えば、「部活動を通して、仲間と協力する大切さを学びました」と話した場合、次のような質問が考えられます。
- 仲間と協力する必要があったのは、どのような場面ですか?
- 意見が合わなかったとき、どのように対応しましたか?
- その経験を高校生活でどう生かしたいですか?
こうした質問に答えるには、自分が実際に経験したことや、そのときに考えたことを理解しておく必要があります。
県教育委員会も、質問・応答では、うまく答えること以上に、自分なりに考え、伝えることが大切だとしています。
そのため、面接対策では、回答文を丸暗記するのではなく、自分の経験や考えを整理し、さまざまな角度から説明できるようにしておくことが重要です。
なお、話す内容を準備することと、暗記した回答を再現することは別です。伝えたいことを整理し、練習しておくことは、自信を持って話すためにも役立ちます。
令和9年度入試では、すべての受検生が出願時に「自己評価資料」を提出します。
自己評価資料とは、委員会活動や部活動、資格取得など、学校内外での活動や、その活動への意欲などを自分の言葉で記入する書類です。
この資料は、面接をおこなう際の補助的な資料として使用されます。
自己評価資料そのものは得点化されない
埼玉県教育委員会によると、自己評価資料は得点の算出に用いません。また、文章の上手さや記入量、文字の上手さも評価の対象になりません。
そのため、立派な文章を書いたり、たくさんの実績を並べたりすることを目指す必要はありません。
しかし、ここで注意したいのが、「資料そのものが得点化されないこと」と「資料の内容が面接で関係しないこと」は別だという点です。
自己評価資料は面接の補助資料として使われ、My Voiceや質問・応答では、自分の経験や考えを伝えることになります。
例えば、自己評価資料に「勉強を頑張った」と書いていても、何を目標にしていたのか、どのような工夫をしたのか、何が変わったのかを自分で振り返っていなければ、面接で具体的に説明するのは難しくなります。
反対に、簡潔な記述であっても、自分の経験を整理できていれば、質問に対して自分の言葉で説明しやすくなります。
資料の記述が簡素だからといって、面接官からの質問が必ず浅くなるわけではありません。ただ、内容を十分に振り返っていなければ、質問されたときに自分の考えを伝えにくくなる可能性があります。
自己評価資料は、文章の出来栄えを競うためのものではありません。自分のこれまでを振り返り、面接で経験や考えを伝えるための手掛かりとして活用しましょう。
自己評価資料をそのまま読み上げてもいい?
面接会場には、出願時に提出したものと同一の自己評価資料を持ち込むことができます。
ただし、県教育委員会は、資料を形式的に読み上げるのではなく、自分の言葉で表現することを心掛けるよう説明しています。
資料を見ながら内容を思い出すことと、書かれた文章をそのまま読み上げることは異なります。
記入した内容を手掛かりにしながら、自分がどのような経験をして、何を考えたのかを自分の言葉で伝えられるように準備しておきましょう。
ここまでの内容を踏まえると、令和9年度入試に向けて意識したいことは、大きく3つあります。
① 特別な実績を探すのではなく、日常の経験を振り返る
面接で話す内容は、必ずしも大きな成果や特別な経験である必要はありません。
勉強で苦手な単元に取り組んだこと、部活動でうまくいかずに工夫したこと、学校行事で周囲と協力したことなど、日常の経験にも自分を伝える材料があります。
大切なのは、経験の大きさではなく、その中で何を考え、どのように行動したかを振り返ることです。
② 文章を完成させるだけでなく、自分の言葉で説明する練習をする
自己評価資料を記入したら、それで準備を終わりにするのではなく、書いた内容を声に出して説明してみましょう。
「なぜそう考えたのか」「一番苦労したことは何か」「そこから何を学んだのか」といった質問を自分に投げかけてみると、経験をより深く振り返ることができます。
回答を一字一句覚える必要はありません。自分が伝えたいことを整理し、相手に伝わるように話す練習を重ねましょう。
③ 志望校の選抜方法を確認する
令和9年度入試では、学力検査、調査書、面接などを用いて選抜がおこなわれます。また、共通選抜と、学科やコースなどの特色に応じた特色選抜が実施されます。
各高校は、選抜に用いる資料の扱いや面接の形式などを公表しています。
面接の準備だけに偏るのではなく、志望校の選抜方法を確認したうえで、学力検査や日々の学習にも計画的に取り組みましょう。
令和9年度からの埼玉県公立高校入試では、すべての受検生が面接を受け、My Voiceと質問・応答を通して自分の経験や考えを伝えることになります。また、出願時には自己評価資料を提出します。
自己評価資料そのものは得点化されず、文章の上手さや記入量も評価されません。しかし、面接の補助資料として使われるため、適当に書いて終わりにするのではなく、自分の経験や考えを整理することが大切です。
また、My Voiceでは、模範解答を暗記することだけを目指すのではなく、自分が実際に経験したことや、そこから学んだことを説明できるように準備しましょう。
面接で求められるのは、必ずしも流暢な話し方や、目立った実績ではありません。自分が何を考え、どのように行動してきたのかを振り返り、自分の言葉で伝えることが重要です。
まずは、これまでの学校生活や日常生活を振り返り、自分が力を注いだことや、そこから学んだことを書き出してみましょう。それが、My Voiceと自己評価資料の準備の第一歩になります。
参考:埼玉県教育委員会
