連立方程式の解き方をわかりやすく解説|加減法・代入法・文章問題まで中2数学を完全攻略
「連立方程式の解き方がわからない」
「加減法と代入法、どっちを使えばいいの?」
「計算はできるのに、文章問題になると急に手が止まってしまう……」
中学2年生の数学で、こうした悩みを感じたことはありませんか。
連立方程式は、最初にxとyが同時に出てくるため「難しそう」という印象を持たれがちです。
ですが、解き方には順を追って理解できる、はっきりとした考え方があります。
この記事では、次の内容を順番に説明します。
・ 連立方程式とは何か
・ 連立方程式の基本的な解き方
・ 加減法のやり方
・ 代入法のやり方
・ 加減法と代入法の使い分け
・ 分数・小数・かっこ・マイナスがある場合
・ 文章問題の解き方
・ よくある計算ミス
・ 答えが合っているか確認する方法
・ 定期テストで失点しないためのポイント
「連立方程式が苦手」という人は、最初から順番に読んでみてください。
連立方程式は、毎年多くの生徒がどこかの段階でつまずきやすい単元です。
この記事では解き方を暗記してもらうのではなく、「なぜその計算をするのか」という考え方の部分まで丁寧に解説します。
【監修:国大セミナー教務統括部長兼北浦和本部校教室長】
まず、「連立方程式」という言葉から確認しましょう。
たとえば、次の2つの式を見てください。
x + y = 10
x − y = 4
このように、2つの文字を含む方程式を組み合わせて、同時に成り立つxとyの値を求めるものが連立方程式です。
この場合、x=7、y=3とすると、
7 + 3 = 10
となり、1つ目の式が成り立ちます。また、
7 − 3 = 4
なので、2つ目の式も成り立ちます。つまり、x=7、y=3が、2つの式を同時に成り立たせる答えということです。
1次方程式との違い
中学1年生で学習した1次方程式では、
x + 3 = 8
のように、基本的には1つの文字xの値を求めました。
連立方程式では、
x + y = 10
x − y = 4
のように、xとyという2つの文字が登場します。
そのため、「文字が2つあるのに、どうやって1つずつ求めるの?」と感じる人が多いのです。
ここで覚えておきたいのが、連立方程式を解くときの基本的な考え方です。
連立方程式では、最初からxとyを同時に求めようとはしません。
まず、どちらか一方の文字を消します。
2つの文字を含む式
↓
1つの文字を消す
↓
1次方程式にする
↓
残った文字を求める
↓
もう一方の文字を求める
という流れが、連立方程式の基本です。
ここを理解しておくと、加減法も代入法も「何をしているのか」が見えやすくなります。
中学校で主に学ぶ連立方程式の解き方には、
①加減法
②代入法
があります。
どちらを使っても、正しく計算すれば答えは同じです。
違うのは、「どうやって一方の文字を消すか」です。
まずは加減法から見てみましょう。
次の連立方程式を解きます。
x + y = 10
x − y = 4
1つ目の式のyの係数は+1
2つ目の式のyの係数は-1
加減法で大切なのは「文字を消す」という目的
加減法は、単なる計算テクニックとして覚えないようにしましょう。
目的は、一方の文字を消して、1次方程式にすることです。
「足す」「引く」という操作そのものを覚えるより、「どの文字を消したい?」と考えることが大切です。
次の問題を考えてみましょう。
係数が違う場合
「式を何倍してもいいの?」と思った人へ
ここは重要です。
連立方程式では、式の両辺に同じ数をかけることで、同じ関係を保ったまま計算しやすい形に変形できます。
たとえば、
x + y = 5
の両辺を2倍すれば、
2x + 2y = 10
となります。
左辺だけを2倍してはいけません。
必ず式の両辺を同じように変えることを意識してください。
次は代入法です。
代入法は、一方の式を「x=~」または「y=~」の形にして、もう一方の式に代入する方法です。
たとえば、
ここで、多くの中学生が疑問に思います。
「結局、加減法と代入法はどっちを使えばいいの?」
答えは、どちらを使っても正解できます。
ただし、問題によって「計算しやすい方法」はあります。
代入法が使いやすい問題
たとえば、
y = 3x − 2
のように、すでにxまたはyについて表されている式がある場合です。
この場合は、代入法を使うと自然です。
加減法が使いやすい問題
たとえば、
2x + 3y = 11
2x − y = 3
のように、同じ文字の係数がそろっている場合です。
この場合は、加減法でその文字を消すと計算が短くなります。
迷ったときの考え方
次の順番で考えてみてください。
①「x=~」「y=~」の形がある?
→ 代入法が使いやすい
②係数がそろっている文字がある?
→ 加減法が使いやすい
③どちらでも解けそう?
→ 自分がミスしにくい方を選ぶ
大切なのは、「加減法を使わなければいけない」「代入法でなければいけない」と決めつけないことです。
数学では、同じ答えにたどり着く複数の方法があります。
連立方程式で特にミスが増えやすいのが、マイナスの扱いです。
たとえば、
引き算するときは特に注意
かっこがある場合は、その処理に注意が必要です。
たとえば、
連立方程式に分数や小数が混ざっていると、それだけで「難しそう」と感じてしまいがちです。
ですが、やっていることはどちらも同じで、式全体を同じ数だけ倍にして、分母や小数点をなくしてから計算するという一手間を加えるだけです。
「連立方程式の計算はできるのに、文章問題になると解けない」という人は少なくありません。
これは、計算そのものが難しいわけではないケースがほとんどです。
文章問題では、文章を数学の式に変換する作業が必要になるからです。
近年、教育現場では「読み取る力」の重要性が指摘されています。
数学の文章題でつまずく原因は、計算力よりも、問題文から必要な条件を見つけ出し、頭の中で整理し直す力の不足にあることが多いのです。
単に文章を読むだけでなく、問題文の中から「必要な条件」を抽出し、論理的に組み立て直す力が求められます。
問題文
↓
数量の関係を整理
↓
x、yを決める
↓
2つの式を作る
↓
連立方程式を解く
↓
答えが問題に合っているか確認
という力が必要になります。
文章問題では、いきなり式を書こうとしないでください。
次の4ステップで考えましょう。
STEP1 何を求めるのか確認する
問題文を読んで、「最終的に何を知りたい?」を確認します。
STEP2 xとyを何にするか決める
たとえば、
大人料金をx円、子ども料金をy円とする。
のように、文字の意味を明確にします。
STEP3 数量の関係から2つの式を作る
文章の中から、「合計」「差」「個数」「料金」「速さ」などの関係を探します。
STEP4 連立方程式を解く
ここからは、今まで練習してきた加減法や代入法を使います。
例題です。
りんご3個とみかん2個を買うと、合計760円でした。りんご2個とみかん3個を買うと、合計740円でした。りんご1個、みかん1個の値段をそれぞれ求めなさい。
速さの問題では、
道のり = 速さ × 時間
速さ = 道のり ÷ 時間
時間 = 道のり ÷ 速さ
という関係を使います。
Aさんは毎分80m、Bさんは毎分60mの速さで歩きます。
2人が同じ地点から同じ方向へ歩き始め、
Bさんが出発してから5分後にAさんが出発しました。
AさんがBさんに追いついたとき、Aさんは何分歩いていたでしょうか。
このような問題では、「何をxとするか」を決めることが重要です。
このように、文章題では、
「速さ・時間・道のりの関係」と「問題文に書かれた数量の関係」
を組み合わせて式を作ります。
※文章題では、単位をそろえることも忘れないようにしましょう。
割合の問題で大切なのは、「何をもとにした割合なのか」を確認することです。
たとえば、「定価の20%引き」なら、もとになっているのは「原価」ではなく「定価」です。
文章問題で、「20%」という数字だけを見て式を作るのではなく、
「何の20%なのか」を考えてください。
連立方程式の文章問題は計算以前に、
文章にある数量の関係を正しく読み取れるかが重要です。
ここからは、計算で失点しやすいポイントを確認します。
ミス1 式の片方だけを□倍する
例えば式の両辺を2倍するとき、「=の右側(右辺)の数字」を2倍し忘れるケースが少なくありません。
x + y = 5
を2倍するとき、左辺だけ2倍して、
2x + 2y = 5
としてしまうと、それ以降の計算がすべて不正解になります。
テスト本番では、『両辺にかける!!』と問題用紙にメモする習慣をつけましょう。
ミス2 マイナスの符号を落とす
x − y
を計算するときに、
x + y
にしてしまわないように注意しましょう。
ミス3 代入するときのかっこを忘れる
y = 2x − 3
を、3yに代入するなら、
3(2x − 3)です。
いきなり、
6x − 3
としてしまうと間違いです。正しくは、
3(2x − 3) = 6x − 9です。
ミス4 文章問題で単位をそろえない
「時速60km」と「30分」が出てきたら、
30分を0.5時間にするなど、単位を合わせる必要があります。
ミス5 答えを出して終わる
答えが出たら、元の式に戻して確認する習慣をつけましょう。
連立方程式では、検算がとても有効です。たとえば、
x = 2, y = 3
という答えが出たとします。元の式が、
x + y = 5なら、
2 + 3 = 5なのでOKです。
もう一つの式も確認します。
2x − y = 1なら、
2×2 − 3 = 1なので、こちらも成立します。
つまり、
x = 2, y = 3は2つの式をどちらも満たしています。
検算は「時間の無駄」ではない
テストで「検算する時間がもったいない」と思う人もいるかもしれません。
ですが、連立方程式は途中の計算ミスが最後の答えに影響します。
特に、
・ マイナス
・ 分数
・ 小数
・ かっこ
・ 係数
が出てきた問題では、最後に確認する習慣をつけると安心です。
基本問題を確実に正解できるようにすること
です。
①加減法の基本を固める
まず、
x + y = 10
x − y = 4
のような基本問題を、迷わず解けるようにします。
②係数をそろえる練習をする
次に、
2x + 3y = 13のように、係数を何倍すれば文字を消せるか考える問題を練習します。
③代入法にも慣れる
「x=~」「y=~」の形から代入する問題を練習します。
④文章問題は「式を作る練習」をする
文章題で大切なのは、いきなり計算することではありません。
まず、「xは何?」「yは何?」「1つ目の条件は何?」「2つ目の条件は何?」
を整理してください。
ここで役に立つのが「国語力」です。
⑤間違えた問題を解き直す
新しい問題を数多く解くより、一度間違えた問題を、「なぜ間違えたのか」考えて解き直すことが重要です。
ここでぜひ実践してほしいのが、「アクティブリコール(思い出し学習)」という方法です。
解答解説を見て「わかったつもり」になるのではなく、一度解説を閉じ、真っ白な紙に自力でプロセスを再現できるかテストしてみてください。
「計算ミスだった」で終わらせず、「どこで符号を間違えた?」「係数をそろえるところで間違えた?」と自分に問いかけながら原因を思い出すことで、記憶への定着が高まります。
ここまで読んだら、まずは自分で解いてみましょう。
LEVEL 1 基本
問題1
x + y = 9
x − y = 3
問題2
2x + y = 8
x + y = 5
LEVEL 2 係数をそろえる
問題3
2x + 3y = 13
x + y = 5
問題4
3x + 2y = 16
2x + y = 1
LEVEL 3 代入法
問題5
y = 2x + 1
x + y = 10
LEVEL 4 文章問題
問題6
あるクラスでは、男子と女子を合わせて34人います。
男子は女子より4人多いそうです。男子と女子はそれぞれ何人でしょうか。
チェック問題の答え
問題1
x = 6, y = 3
問題2
x = 3, y = 2
問題3
x = 2, y = 3
問題4
x = 4, y = 2
問題5
x = 3, y = 7
問題6
男子をx人、女子をy人とすると、
x + y = 34
男子は女子より4人多いので、
x − y = 4
したがって、
x + y = 34
x − y = 4
2つの式を足すと、
2x = 38
x = 19
となります。
19 + y = 34
なので、
y = 15
したがって、
男子19人、女子15人
です。
Q.連立方程式の解き方がわかりません
まず「どちらか一方の文字を消して、1次方程式にする」と考えてください。そのための代表的な方法が、加減法と代入法です。
Q.加減法と代入法はどちらが簡単ですか?
問題によります。「x=~」「y=~」の形になっている場合は代入法が使いやすく、係数がそろっている場合は加減法が使いやすいことがあります。最終的には、自分が計算しやすく、ミスしにくい方法を選ぶことが大切です。
Q.連立方程式でマイナスが出てくると間違えます
途中式を省略しすぎないようにしましょう。特に、
−(x − y)
のような式では、マイナスがかっこの中の項に影響することを確認してください。
Q.文章問題になると式が作れません
いきなり式を作ろうとせず、次の順番で整理しましょう。
・ 何を求めるのか
・ xとyを何にするのか
・ 問題文のどの部分から1つ目の式を作るか
・ どの部分から2つ目の式を作るか
Q.連立方程式は暗記すれば解けますか?
計算手順を覚えることは必要です。ただし、
「なぜその計算をするのか」
を理解しておくと、少し形が変わった問題にも対応しやすくなります。特に、
「一方の文字を消して、1次方程式にする」
という基本の考え方を押さえておきましょう。
Q.答えが合っているかわかりません
元の2つの式に、求めたxとyを代入して確認しましょう。2つとも成立すれば、答えが問題の条件を満たしているとわかります。
最後に、この記事で覚えておきたいことをまとめます。
連立方程式の基本
2つの式を同時に成り立たせるxとyを求める。
解き方の基本
一方の文字を消して、1次方程式にする。
加減法
2つの式を足したり引いたりして、文字を消す。
代入法
一方の式をx=~、y=~の形にして、もう一方の式に代入する。
方法に迷ったら
・ 「x=~」「y=~」なら代入法
・ 係数がそろっているなら加減法
・ どちらでも解けるなら、自分がミスしにくい方法
と考えてみましょう。
文章問題
「何をx、yとするか」
↓
「数量の関係から2つの式を作る」
↓
「連立方程式を解く」
↓
「答えを確認する」
という順番で考えます。
そして、もう一つ覚えておいてほしいことがあります。
「連立方程式が苦手=数学が苦手」ではありません
連立方程式では、
・ どの文字を消すのか
・ どちらの方法を使うのか
・ 係数をどうそろえるのか
・ マイナスをどう扱うのか
・ 文章からどう式を作るのか
など、いくつかの判断が必要になります。
だから、最初につまずくのは珍しいことではありません。
大切なのは、「答えを覚える」ことではなく、
「どこで考えればいいのか」を一つずつ整理すること。
もし今、「加減法なら少しできるけど代入法が苦手」
「計算はできるけど文章問題になると解けない」
「途中までは合っているのに、最後で答えが合わない」
という状態なら、
まずは自分がどこでつまずいているのかを見つけてみてください。
数学は、わからないところをそのままにして先へ進むと、
次の単元でも苦しくなりやすい教科です。
逆に、つまずいている場所を一つずつ解決できれば、
できる問題は確実に増えていきます。
国大セミナーでは、「1クラス6名限定」という特長を生かし、
答えだけを教えるのではなく、
講師が直接生徒の手元を見ながら「どこで考え方が止まったのか」
「なぜ間違えたのか」を確認し、
1人ひとりの理解度に合わせて指導しています。
大人数の授業では見過ごされがちな「1行の式変形のつまずき」も、
この少人数システムなら見つけ出し、サポートすることができます。
「連立方程式が苦手」という状態でも、最初から全部できる必要はありません。
まずは、今日できなかった問題を一問。
「なぜここでこの計算をするのか」を考えながら、もう一度解いてみましょう。
