コラム
2025.06.28
算数で分数が苦手だと…(2)
前回は、分数のたし算・ひき算の計算のつまずきについてお伝えしました。多くの工程があり、算数が苦手なお子さんにとってはかなりの難関です。しかし、たくさんの計算練習を重ねて、分数のたし算・ひき算ができるようになったとしましょう。
すると、今度は小学6年生で「分数をかける計算」、つまり「分数×分数」の計算方法を学びます。このとき、分母同士、分子同士をそれぞれかけ算することを学習します。さらに、「分数でわる計算」の単元でも、まず分数同士のわり算の方法を学びますが、「分数×分数」の計算方法を理解できていれば、「分数÷分数」の計算も比較的スムーズに進められるはずです。
しかし、ここで落とし穴があるのです。
「分数×分数」で、分母同士、分子同士をそれぞれかけ算することを学んだため、小学5年生で学習した分母が異なるたし算・ひき算の計算方法を勘違いしてしまう子がいるのです。具体的には「分数+分数」を通分せずに「分数×分数」と同じように「分母と分母をたす、分子と分子をたす」というミスをしてしまうことがあるのです。
ですが、小学6年生では「分数+分数」の計算に触れる機会が少ないため、このようなミスになかなか気づきにくいという現状があります。
そして、そのような子は中学生になって数学を学習したときに、上記のようなミスをして、分数のたし算の計算方法をすっかり忘れていたことに気づくのです。
<続く>